うどんパを作ってみる -ファントム奪還編-


初めまして。私の名はふみね。
誇張抜きにそれくらい持ってる七つの偽名のうちの一つだが、以降お見知り置き願いたい。



藪から棒にお尋ねするが、皆様は「FGOで縛りプレイ」と聞いたとき、どういった条件を思い浮かべるだろうか。
マシュ以外レベル1、低レア縛り、声優縛り、種族縛りetc…案外FGOに戦術性とスリルを求めるプレイヤーは多い。……かもしれない。
だが、私はたかだか便乗商法如きで縛りプレイへの挑戦に至った訳ではない。

私は元々自他共に認める「ぬるゲーマー」である。
縛りプレイよりレベルを上げて物理で殴る方が好きだし、10年以上プレイしているポケモンでも厳選は2Vが関の山といった有様だ。当然、FGOだって浪漫パよりはフレンドマーリン必須のガバガバなアーツパで何とかしてきた。
そんな私が恐らく人生初の縛りプレイに挑もうと思い立った切っ掛けは何か。ビリー・ザ・キッドの存在である。



皆様は「FGOビリー・ザ・キッド」と聞いて何を思いつくだろうか。
ウナムのちょい役、優秀なサーヴァントが揃う☆3弓の中でも日陰者、CBCとかでちょっとだけ見たことあるやつ(最近夏イベ礼装「サンセット・ジャム」でウナムの相棒のひとりで礼装初登場のジェロニモと共演している)、環境整えるのが面倒くさい等……正直愛好家以外からの評価は散々、というかそもそも話題に上ること自体多くない。
それでも、私にとってはチュートリアルの10連で初めて出会ったアーチャーなのである。
……思い出深いと書かなかったのは、召喚当初「金色さとちゃん」という元ネタの推測も難しいあんまりにもあんまりな渾名で呼んでおり、ウナムのシナリオで登場するまで「ビリー」との思い出がほぼ皆無だからだ。
さて、上記の通りウナムで私からの評価をほぼゼロから最高点にまでぶち上げた彼(とジェロニモ)は最推しサーヴァントの称号を与えられ、どんどん育成されていった。
それから約2年半、先日金フォウの投入が終了し、遂に全ステータスMAXのビリーが完成した。FGOにおいてくそみそに苦行である育成をやり遂げ、深い達成感を味わった私の脳内に浮かんだのは──


──自分だけの最強パーティで最強のビリーを使いたい


という男児じみた願望だった。
黙ってスカディでも借りてQクリパ組んどけやという話ではある。それでも、私の性格上一度思いついたことは中々止められない。
そんな経緯でクソ雑魚ナメクジがまた一匹縛りプレイの大海へと漕ぎ出した訳だが、ここである問題にぶち当たる。
つまり、『自分だけの最強パーティって何?』問題だ。



ビリーを主軸にした縛りパーティの範囲は狭い。
まず思いついたのが声優縛りだった。
元々私がこの世界に興味を持った切っ掛けが、
某ユーザーの三木眞一郎氏演じるサーヴァントのみで挑む縛りプレイだったからである。
……が、ビリーの声優である高野麗女史が演じるサーヴァントは彼とフランシス・ドレイクの二騎のみであり、正直ビリーが完全に要らない子、ドレイク単騎の方が絶対面白いのである。というか一回ドレイク単騎やりたい。よってこの案は即刻没にした。
次に思いついた☆3弓パも最早ビリー推しだからやろうと思うようなものではない。



やはりビリーを縛りパの軸にすることはできないのだろうか。
苦悩する私にオシリスからの天啓が下る。
それは、女性版最推しサーヴァントであるニトクリスと、二人のイラストを手掛けた縞うどん(縞梟)氏の存在だった。



ニトクリスといえば、ポンコツエジプト代表、出ませいの人、メジェド様、クソチョロヒロイン、中の人がラジオとかに出てるやつ、オジマンディアスの腰巾着……某冬の祭でキービジュアルに出てきたり、等等。FGOにおいてはそれなり、少なくともビリー以上の知名度を誇っているサーヴァントである。
性能面においては即死付き宝具の高速回転に特化した雑魚払い向けのため、高難度攻略やストーリー攻略ではまず見かけない(水着版は単独での立ち回りにやや力を入れているがここでは割愛する)。
それでも、私にとってはようやくストーリー進行に追いついたのも束の間、一夜にして阿鼻叫喚の地獄と化したキャメロット実装ピックアップでふらっとやってきた初めての金枠キャスターであり、彼女の影響で某女児アーケードゲームに手を染めたくらいには思い出深いサーヴァントである。
そして、ビリーとニトクリスの共通点は「縞うどん氏が立ち絵を手掛けている」ことである。
FGOを通じて氏の画風が好きになったクソにわかではあるが、私は決心した。


氏の手掛けたサーヴァントでパーティを組もう。


そうと来てまずやることは、氏の手掛けた全サーヴァントの把握である。
ざっと集計した結果、以下六騎が対象となった。

☆2 ランサー レオニダス一世
☆2 アサシン ファントム・ジ・オペラ
☆3 アーチャー ビリー・ザ・キッド
☆4 キャスター ニトクリス
☆4 アサシン ニトクリス(水着)
☆4 アサシン 新宿のアサシン

サポートを含めなければいけないので若干中途半端だが、パーティを埋めるのには十分足りる頭数だ。
次に、育成状況を確認した。
確認時点で霊基一覧に存在している対象は全員レベマとはならなかったものの、最終再臨は全て済んでいた。これも愛である。



……さて、上記の「霊基一覧に存在している」という表現に何か引っかかるものを感じた方もいるだろう。
種明かしをすると、確認時点でファントム・ジ・オペラは不在だった。育成に手の回らない、そもそも育てる気の無かった低レアは残していなかったからである。

若干の罵倒や誹りの幻聴が聞こえたが話を進める。

そんなこんなで既存サーヴァントの調整より先にファントムの再召喚および宝具マを第一目標とし、サブタイトル回収、フレポ10連開始と相成ったのだが──


──出ない。


回せど回せど、あのマスクとセンター分けと陰気く……失礼、アンニュイな顔が召喚結果に出てこない。たかが☆2である。現に他の☆2であるサンソンやゲオルギウス、黒髭達はぽこじゃが出てくる。唯々ファントムだけが出なかった。

初期の宝具マ個体を売っ払った恨みか、はたまた物欲センサーか。約100万と少しあったフレポの桁が一つ下がろうという頃になってようやく一騎目が召喚に応じる。
即刻ロックを施し二騎目の確保に移るが……また出ない。フレポ召喚と言えど、特定のサーヴァントだけを一本釣りするのは至難の業なのだろうか。



結局二騎目のファントムを確保できたのは、フレポの桁が一つ減り、自動売却による数え切れない程のマナプリと二、三十騎はいたであろう☆3サーヴァント、アンリマユ(通算二回目)を経てからだった。
三騎目以降は比較的さっくり来たので省略させてもらうが、月初に使い込んだマナプリが補充どころか明らかに増加している上、最終的に約20万弱のフレポを消費していた。
ついで程度に確保した銀種火でかなりレベルをブースト出来たのがせめてもの救いかもしれない。



かくして、一悶着あったもののサーヴァント六騎が遂に揃い踏みとなった。
サーヴァント本人のレベルは勿論、スキルレベルやフォウ、聖杯転臨の要否など課題は山積みだが、別に人気ユーザーでもないのでじっくりマイペースに挑戦していこうと思う。
図々しい願いではあるが、もし次回記事やゲーム内の野良マスターとして私を見かけた場合はそっと応援してやってほしい。


進めうどんパ、出番と勝利を掴むまで!